さて、9月議会では、決算審査も行われます。
前年度、つまり令和6年度の市の決算について審議します。委員会においても、担当する分野の決算について審議が行われました。
市民経済委員会の決算審査の様子↓
質問の議事録はこちら↓
【阿久澤委員】初めに、園芸用廃ポリエチレン等処理対策推進事業について伺います。本市では、令和6年10月にJA前橋市と脱プラスチック・脱メタン宣言を行い、環境配慮型農業を推進しているところであると思いますが、ハウスの被覆材やマルチなど生産資材としてプラスチックを使用する農業生産の現場においては、特に廃プラスチックの適正処理の徹底が重要であると考えております。そこで、本事業の概要と令和6年度の実績について伺います。
【農政課長】概要と実績についてですが、本事業は廃プラスチック等の適正処理を推進するため、JA前橋市が事務局となっている前橋市園芸用廃プラスチック適正処理推進協議会が実施する集団回収事業に対し、補助を行っているものでございます。令和6年度は廃プラスチックの処理件数912件、処理量151トン、処理費用が1,105万8,410円に対し、75万円の補助を行いました。なお、平成18年度からこの事業を開始しており、廃プラスチックの適正処理制度として定着してきております。
【阿久澤委員】本事業は、園芸分野の補助金として位置づけられていますが、対象には酪農で使用されるラップサイロも含まれると認識しております。名称が園芸用とあるため、酪農家の皆さんからは活用できることを知らなかったといったお声も聞いたことがあります。酪農家など畜産業へ広く周知を図る必要があると考えますが、市の考えを伺います。
【農政課長】酪農家への周知についてですが、JA前橋市によると、全体の利用者912件のうち、畜産農家は32件利用していると伺っております。本事業は、園芸用と位置づけられておりますが、対象はJA前橋市の組合員全員となっており、酪農分野において使用されるラップサイロ等の処理も対象に含まれております。周知につきましても、協議会の事務局であるJA前橋市が主体となって実施しており、関係者への情報提供は行われているものと認識しておりますが、引き続き各地区の営農センターなどを通じ、広く周知を図ってまいります。
【阿久澤委員】廃プラスチック適正処理推進協議会が実施する集団回収事業への補助ということなので、一軒の農家から見たときに市が補助しているということが見えにくいのかもしれないと思っております。引き続き周知をお願いしたいと思います。
【阿久澤委員】続いて、農業害虫防除対策事業について伺います。先日の本会議の総括質問においても質問された議員さんがいらっしゃいましたが、特定外来生物であるクビアカツヤカミキリによる農作物被害の未然防止や被害拡大の防止を目的として、生産者による防除の取組を支援することにより、経営の安定と地域の農作物保全に寄与する事業であると認識しております。令和6年度の本事業の実績と農地における被害の発生や拡大の現状についてお伺いします。
【農政課長】令和6年度の実績についてですが、補助率2分の1以内、1戸当たり5万円を上限として、クビアカツヤカミキリの防除薬剤購入費4件に対し、9万2,200円の補助を行いました。
次に、農地における被害の発生や拡大の現状についてですが、桃、梅などのバラ科の作物において被害が発生しております。被害件数は、令和6年度は約10件でしたが、令和7年度は38件と、年々クビアカツヤカミキリの被害は拡大しております。
【阿久澤委員】ご答弁にありますように、市として防除対策を進めていただいていることは理解しております。1年でこれだけ農地における被害も拡大しておりますし、また農家ではない市民の方からも被害が増えているとのお声もお聞きしております。その上で要望させていただきますが、捕獲奨励と周知啓発を同時に進める施策の検討をお願いしたいと思っております。例えば県内他市の事例ですと、館林市では捕獲に対する奨励金制度の導入をしておりまして、館林市内に在住、在勤または在学している市民が市内でクビアカツヤカミキリの成虫を駆除し、死骸を提出した場合に1匹当たり50円、上限200匹まで駆除奨励金を交付しているとのことです。予算がかかることなので、奨励金をすぐすぐ整えるというのは難しいと思いますが、まずは予算をかけなくても何か工夫できることがあると思っておりまして、見つけたらすぐ駆除するといった認識が市民の中に広がるように、そういった駆除活動の機運を高める取組をお願いしたいと思っております。
【阿久澤委員】続いて、農地流動化推進事業についてお伺いいたします。農地流動化推進事業として、農業委員等を中心に農地の貸手及び借手の掘り起こしを行い、農地の借手に農用地利用集積促進事業奨励金を交付していますが、改めて奨励金の概要と令和6年度の実績についてお伺いします。
【農業委員会事務局長】まず、概要についてですが、農業の担い手の育成及び確保、農地の有効利用を図ることを目的として、農地中間管理事業に基づく利用権を設定した場合に、農地の借手に対し、貸借期間や面積に応じて本市で定めた単価に基づき奨励金を交付するものでございます。次に、実績についてですが、対象面積16ヘクタールに対し、39万3,740円の奨励金を交付しております。
【阿久澤委員】令和5年度の農用地利用集積促進事業奨励金の決算額を見ますと、令和5年度が対象面積41ヘクタールに対し、134万2,100円の交付額でありました。令和6年度の奨励金の実績をご答弁いただきましたが、令和6年度は令和5年度と比較しますと94万8,360円減少しております。令和6年度に奨励金が減少した理由についてお伺いします。
【農業委員会事務局長】農業経営基盤強化促進法が令和5年4月に改正されたことにより、貸手と借手の間で直接設定する一般利用権が廃止され、令和7年度から農地中間管理事業による利用権設定に一本化されております。令和5年度までは群馬県と本市で奨励金を交付しておりましたが、令和7年度の利用権設定の一本化を見据え、令和6年度より群馬県の奨励金が廃止されました。そのため、令和6年度は農地中間管理事業への移行を促す必要もあったことから、交付対象を農地中間管理事業による利用権設定のみとした上で、本市単独の事業として交付したため、減少したものでございます。
【阿久澤委員】農地中間管理事業に利用権設定が一本化され、奨励金の交付額や交付対象が縮小されたことは理解いたしました。一方で、奨励金が縮小され、営農条件が悪い農地などは、さらに貸借されにくくなり、遊休農地化してしまうことも考えられると思います。農地の多面的な機能を維持するためにも担い手への貸借など、遊休農地の防止、解消に向けた対策が重要になると思いますが、本市の遊休農地の把握方法と現状をお伺いします。
【農業委員会事務局長】本市の遊休農地は、毎年実施している農地利用最適化推進委員による農地利用状況調査において把握しております。さらに、調査において遊休農地と判断された農地につきましては、所有者に対する利用意向調査を行い、貸借等の希望を確認しております。現状につきましては、直近の遊休農地面積は令和5年度が413.7ヘクタール、令和6年度が390.1ヘクタールとなっております。担い手への農地集積や農政課の耕作放棄地再生利用事業補助金の活用などにより、令和6年度では令和5年度の約6%に当たる23.6ヘクタールの遊休農地が解消されている状況がございます。
【阿久澤委員】直近では遊休農地が解消されている状況にあることは理解いたしました。しかしながら、中山間地域では傾斜地や狭小な農地も多く、機械化や効率的な営農が難しいことから、農地の維持管理そのものが困難になる可能性もあります。また、今後も農業者の高齢化や後継者不足が進行する状況もあるため、遊休農地の増加につながり、農地の適正な管理ができなくなる懸念もあります。こうした状況を踏まえ、農地の適正な管理について、今後の取組を農業委員会長にお伺いします。
【農業委員会会長】農地利用状況調査で把握しました遊休農地につきましては、利用意向調査により確認した所有者の貸借等の希望に基づき、地区別検討会において農業委員や推進委員、地域の担い手など関係者が集まり、解消に向けてマッチング等を行っております。遊休農地の解消は、地域の農業振興のみならず、地域の活性化や新規就農者の参入促進にもつながり、最終的には農地の適正な管理にもつながるものと考えております。農業委員会といたしましても、遊休農地の解消や担い手へのマッチングを積極的に進め、新規就農者の参入支援や農地の最適化活動を一層推進するとともに、関係機関や地域とも連携しながら、農地の適正管理と持続可能な農業の実現に努めてまいりたいと考えております。
【阿久澤委員】遊休農地の解消に向けた担い手へのマッチングについての取組は理解しました。特に地域外から新規就農した方へ向けては、地域の人脈やつながりをこれから形成していく方も多いと思われますので、情報提供や提案も含めたフォローを一層強化していただきたいと思いますので、よろしくお願いいたします。
【阿久澤委員】続いて、文化施設管理運営事業についてお伺いします。市民文化会館大胡分館について、ホールの予約が取りにくいとの声が市民から寄せられております。一方で、決算の大要を見ますと令和6年度の大胡分館ホールの稼働率は37.6%にとどまっており、需要と供給のミスマッチが生じており、同時期にイベント開催が集中することが原因かと考えられます。そこで、令和6年度の月別の稼働率と予約抽せんについてお伺いします。また、施設利用による課題についても併せてお伺いします。
【文化国際課長兼前橋空襲と復興資料館長】
令和6年度の市民文化会館大胡分館ホールの月別の稼働率は、4月は28%、5月は18.5%、6月は26.9%、7月は26.9%、8月は40.7%、9月は40%、10月は44.4%、11月は65.4%、12月は34.6%、令和7年1月は30.8%、2月は37.5%、3月は57.7%でした。大胡分館の予約抽せんは実施しておらず、先着順で予約を受け付けております。また、施設利用による課題についてでございますが、休日や祝日に利用が集中し平日の稼働率が低いことや、駐車場不足等が課題となっております。
【阿久澤委員】令和6年度の月別の稼働率、施設利用による課題について理解いたしました。では、ご答弁いただいた課題の解決に向けた対応について、どのような工夫や改善を行っていくのかお伺いします。
【文化国際課長兼前橋空襲と復興資料館長】課題の解決に向けて、現在利用者が施設へ電話等の問合せにより確認しております予約状況を可視化し、予約時の利用者の利便性向上を図るため、新たな予約システムの導入を検討してまいりたいと考えております。また、土曜日、日曜日の駐車場不足の対応については、大胡支所の駐車場を借用して対応するとともに、平日の利用を促進するため、利用者へ施設の周知を図ってまいりたいと考えております。
【阿久澤委員】市民文化会館では予約開始が利用月の1年前となっていますが、大胡分館では半年前からとなっていると伺っております。特に学生が通うピアノ教室などの発表会は、学校行事との兼ね合いもあって計画的に準備をするために1年前から予約できるようにしてほしいとのご意見も市民の皆さんから聞いております。予約開始時期の見直しについて、どのように考えていらっしゃるのかお伺いします。
【文化国際課長兼前橋空襲と復興資料館長】大胡分館の予約開始時期については、地域団体、利用者団体及び指定管理者などの意見を聞きながら、見直しの要否を検討してまいりたいと考えております。
【阿久澤委員】見直しの検討に当たりましては、まずは利用者それぞれの希望や実態を十分に把握していただき、市民にとって利用しやすい制度となるように取り組んでいただきたいと考えております。
【阿久澤委員】続いて、前橋空襲と復興資料館設立事業についてお伺いします。令和6年度決算では1億6,368万6,901円が計上されております。大きな事業費を投じて進めている事業であり、今回の決算における支出内容についてお伺いします。
【文化国際課長兼前橋空襲と復興資料館長】前橋空襲と復興資料館設立事業の中で一番大きい支出は、展示制作等業務委託料約1億4,200万円を含む業務委託料で約1億5,800万円でございます。その他、会計年度任用職員の報酬等で約400万円、資料整理用段ボール箱やコンテナ、事務室用レーザー複合機やシュレッダー等の消耗品、備品購入費で約100万円、その他検討委員会開催にかかる費用や著作権使用料等で約38万円をそれぞれ支出したところでございます。
【阿久澤委員】今年度資料館が無事にオープンしましたが、市民で前橋空襲について関心を持つという人も増えたのではないかと思います。そんな中、自宅に保管している戦争にまつわる資料を寄贈したいというご相談も受けました。こうした資料の寄贈について、現時点での本市の方針をお伺いします。
【文化国際課長兼前橋空襲と復興資料館長】資料の寄贈につきましては、前橋空襲と復興に関する資料を中心に収集していくことになると思いますが、資料を適切に保管、管理する収蔵庫のスペースにも限りがございますので、今後設置を予定している前橋空襲と復興資料館の運営委員会においてご議論いただきたいと考えております。
【阿久澤委員】市民の方の中には、戦地に行ったご本人は亡くなっていても、子供として親が経験した戦争に関する証言を聞いた方ですとか親から引き継いだ資料を大切に保管している方も多くいらっしゃるかと思っております。こうした貴重な資料を将来に生かすための活用方法についてもぜひ積極的に検討いただきたいと思います。
【阿久澤委員】続いて、生態系保全事業について伺います。先に質問された委員さんもいらっしゃいますが、角度を変えて質問させていただきます。生態系保全事業については461万2,086円が計上されております。自然環境調査について実施し、昨年度は昆虫類を対象として調査したと承知しておりますが、調査方法や調査対象の選定の基準についてお伺いします。
【環境政策課長】自然環境調査についてですが、前橋市環境基本計画の目指すべき将来の姿として位置づけている生態系の保護の実現のため、平成9年度から生物に関する知見が深い専門業者への業務委託により実施しております。調査対象とする生物は、植物、鳥類、魚類・水生生物、哺乳類・爬虫類・両生類及び昆虫類の5つに分類し、令和8年度までの現行の環境基本計画の期間内で毎年度計画的に調査を行っており、令和6年度は当該計画に基づいて昆虫類の調査を行ったものでございます。
【阿久澤委員】前橋市環境基本計画に基づき生物を5つに分類し、市内の自然環境を調査しているということは分かりました。本市の豊かな自然を守っていくためには、市民の環境保全意識をより高めていくことが重要であると考えております。そのためにも調査結果を活用して本市の自然環境の姿を市民に分かりやすく伝えていく取組を実施していくべきだと思っておりますが、見解についてお伺いします。
【環境政策課長】市民一人一人が身近な自然環境について知り、環境保全意識を高めていただくことは、生態系の保護のために大変重要であると思います。これまでも身近な自然環境に触れることができる市民参加型のイベントを実施してきましたが、自然環境調査の結果も活用し、当該イベントの充実を図ることができるよう検討してまいりたいと考えております。
【阿久澤委員】ご答弁いただいたように、環境保全意識を高める取組については大変重要であると考えております。先般公表された森記念財団の都市戦略研究所による日本の都市ランキングにおいては、評価対象の136都市の中で前橋市は温暖化対策、廃棄物、気候、自然環境、快適性といった指標を基に評価された環境分野において10位と上位の評価になっています。今後前橋の環境分野が持つ価値を高めることは、市民生活やまちの魅力にも大きな効果をもたらしていくのではないかと考えております。これだけ毎年予算をかけてしっかり調査していただいているからこそ、自然と距離のある市街地に暮らす方々にも調査結果や保全の取組を分かりやすくお伝えいただき、地域全体で共有していくことが大切であると考えておりますので、引き続きよろしくお願いいたします。
以上で質問を終わりにいたします。ありがとうございました。


