第4回定例会では、18分のお時間をいただき総括質問をいたしました。
質問は以下の3点です
1 農村整備について
2 有害鳥獣駆除について
3 東部地域の諸課題について(⭐️スクールバスについても質問しました)
質問の様子はこちら↓
【阿久澤議員】通告に従い、質問いたします。
初めに、農村整備について伺います。6月の第2回定例会において、農業水路の維持管理について質問させていただきました。その後、農繁期を経て、地域の皆様からご要望などをお聞きする中で、水路以外にも本市で実施される農村整備事業を通じて行われる農地、農道、ため池といった農業基盤の維持管理が農業のためだけでなく、防災や生活インフラとして地域全体を守る機能を果たしていることを改めて実感しております。そこで、本市における農村整備が果たす役割について伺います。
【農政部長】農村整備事業の役割についてですが、農業用水、農道、ため池などは農業生産を支える重要なインフラであると同時に、地域住民の生活基盤としても欠かせない存在です。これらの施設を適切に維持管理することは、農業の安定だけでなく、防災や生活の安全、安心の確保にも直結します。農村整備事業は、自ら地域がこうした基盤を守ることができるように整備を行い、支援して進められ、地域社会の持続的な発展に貢献する重要な役割を担っていると認識しております。
【阿久澤議員】農村整備事業は、地域社会の持続的な発展に貢献する重要な役割であるとご答弁いただきました。その農村整備事業を効果的に進めるためには、安定した予算措置と適切な執行が不可欠であると考えます。そこで、直近数年間の農村整備事業の予算額及び決算状況について伺います。
【農政部長】予算及び決算の実績ですが、過去3年間で市単独農業土木事業で地元要望等の対応を行っており、当初予算として令和4年度が1億130万円、令和5年度、令和6年度につきましては1億円となっております。しかし、これを上回る地元要望を受けており、緊急度、重要度を精査した上で補正予算要求を行い、事業の決算は令和4年度が1億6,716万円、令和5年度が2億556万円、令和6年度が1億5,963万円となっております。
【阿久澤議員】予算と決算の状況につきまして整理しますと、令和4年度当初予算額1億130万円に対して決算額が1億6,716万円、令和5年度当初予算額1億円に対して決算額が2億556万円、令和6年度当初予算額1億円に対して決算額1億5,963万円ということで、過去3年間につきましては当初予算だけでは十分な財源が確保できず、補正予算で追加財源を確保していることが分かります。では、このように年度途中での補正に頼らざるを得ない状況は事業執行にどのような影響をもたらしているのか、具体的にお伺いいたします。
【農政部長】事業執行の影響ですが、仮に9月補正予算成立後で考えますと、農繁期を避け11月から3月までに工事を発注することとなるため、工期を十分に確保することが難しいという課題がございます。このような状況から、令和7年度からは当初予算として2億円を措置していただき、基本的には通年予算として円滑な事業執行に努めております。
【阿久澤議員】補正予算が成立しても、工期を考慮すると実施できる要望も限られてしまうということもあるということが分かります。だからこそ年度の初めから計画的に整備できることが大変重要だと考えております。その上で、今年度当初予算で2億円が措置されたことは、より円滑な事業執行につながっているものと受け止めております。
一方、予算面だけでなく、担当職員の負担も課題であると考えております。というのも、第2回定例会の総括質問で、水路の清掃や除草作業について、日常の管理は利用者が主体となってやるものですが、老朽化対策や緊急対応については市が年平均で水路清掃約100件、除草約60件を対応しているとのご答弁をいただきました。その上で、担当する職員の負担の状況につきまして、市はどのように認識しているのか伺います。
【農政部長】市職員の負担の状況につきましては、農業用水は水利組合など地元水利権者等による維持管理がされてきましたが、農業者の減少により管理の行き届かない施設が増えている傾向がございます。このため、市職員による直接対応や業者委託による対応が多くなっています。また、休日、夜間においても農業用水の溢水等による緊急呼出しや苦情対応があり、職員の負担になっているところでございます。
【阿久澤議員】市職員や業者委託によって対応せざるを得ないケースが増えている状況であることは理解いたしました。加えて、休日や夜間でも緊急事案が発生すれば駆けつけなければならないという状況は、担当する職員の方にとって負担も生じていると考えられます。こうした職員の皆さんの負担の増加に対して、どのような支援策や改善策を検討しているのか伺います。
【農政部長】改善策についてですが、従来職員が行っていなかった業務が地域の事情により増加してきており、また来年度からは防災重点ため池の地震、豪雨、劣化の対策工事が本格化することから、これに見合った人員や予算の在り方を検討する必要がございます。ただし、全ての農業用水路などを市で管理することは、予算面等も含めて困難であることから、多面的機能支払交付金の農地維持メニューなどを活用できるよう地元を支援し、本制度の管理範囲を拡大していくことが有効であると考えております。
【阿久澤議員】ご答弁から事業に見合った人員や予算の在り方を検討する必要があることについて理解いたしました。また、たくさんありますので、全ての農業用水路などを市で管理することはできません。国庫補助である多面的機能支払交付金事業の活用は有効な手段であり、活用に向けた制度説明会などソフト面の支援も行っていただいていることはこれまでのご答弁で理解しております。しかし、実際には多面的機能支払交付金事業において作業を外注できる範囲には制限があり、そもそも人手が不足している地域においては資金が確保できても十分な作業を実施できない状況があるとも聞いております。現状の制度の課題認識として、市はどのように捉えていらっしゃるのかお伺いします。
【農政部長】多面的機能支払交付金事業の制度の課題ですが、農村部では人口減少と高齢化により活動参加者や役員の不足から活動継続が困難になってしまう事例が出てきております。このため、非農業者を含めた地域全体で制度理解を深め、参画を促す仕組みが必要と感じております。今年度から試行的に取り組んでおりますが、市民サービスセンター、支所との連携を模索する必要があると感じております。また、国庫補助事業の様式作成は複雑であるという声を聞いておりますので、引き続き市が説明や作成支援を丁寧に行っていきたいと考えております。
【阿久澤議員】担い手が年々減ってきているため、従来の体制だけでは支え切れない状況になりつつあります。維持管理を地域が主体となって続けていくためには、制度を理解し、実際に活動に参加する人材を確保しなければなりませんので、外部人材も含めた幅広い参加を促す仕組みづくりが求められております。多面的機能支払交付金とセットで使える市独自の資金メニューを整備することも有効であると考えられますが、市として検討の余地はあるのかどうかお伺いします。
【農政部長】市単独事業の検討についてですが、令和7年度から市単独事業として、国庫補助事業である多面的機能支払交付金を補完する取組を開始しました。国の制度では柔軟な対応が難しい部分を補うため、新規組織の立ち上げ時の助成や複数組織の広域化を進める支援、さらに農地面積の減少による国庫返還の緩和に対する取組といったメニューを設けております。この新たな補助制度は、金額は小さいですが、好評を得て活用されており、今後も引き続き有効に活用していただけるよう丁寧な説明を行ってまいります。また、多面的機能支払交付金事業に取り組む組織は、人手不足から必須メニューである農地維持活動自体を外注したいといった声も寄せられてきております。こうした課題に対して、組織が発注主体として適切かなどの確認すべき点もございますので、今後議論を重ね、研究してまいりたいと思います。
【阿久澤議員】農村整備事業は、農業基盤の適切な維持管理であります。その事業の性質上、変化がなく維持されるということが一つの成果であると言えます。維持管理が行き届かなくなったときには、市民の暮らしや営農活動への影響は一気に表面化してくるのではないかと考えております。また、予算が年度ごとに大きく変動してしまうと整備計画の立案や地域との調整が難しくなり、必要な要望に応えられない可能性もあります。農村整備事業には安定的な予算確保が不可欠であると考えております。また、担い手不足が進む中、年々増加する緊急的に対応しなくてはならない維持管理作業を職員の皆さんが昼夜を問わず支えてくださっております。持続可能な人員体制の構築も重要になってきていると思います。
前橋は、街なかのにぎわいと豊かな農村環境がともに存在することで、都市と自然が共生するまちとしての魅力を形づくっていると私は考えております。市全体として多様な施策が同時並行で進む中で、限られた財源をどこにどう振り分けていくかというのが大変難しいところではあると思いますが、より丁寧な判断が求められてくると感じております。ここからは要望になりますが、農村整備事業については来年度につきましても安定的な予算の確保と事業に見合った人員体制の整備を要望いたします。
【阿久澤議員】次に、有害鳥獣駆除について伺います。有害鳥獣については、複数の議員さんからも質問がありましたが、私は中型の野生動物の対応に関連して質問いたします。まずは本市における有害鳥獣被害の現状、有害鳥獣被害の種類ごとの被害の特徴や傾向について伺います。
【農政部長】本市は、多様な野生生物の生息地となっており、中山間地域では鹿による飼料作物などへの被害とイノシシによる稲、芋類などの被害や掘り起こしが多くなっております。また、市街地を含め、市内全域でアライグマ、ハクビシンによるトウモロコシや果樹などの被害のほか、住宅の天井裏にすみつく生活環境被害も多く発生しております。さらに、近年の傾向として、アライグマによる生活環境被害が増加しており、平成30年度の捕獲数が79頭でしたが、令和6年度の捕獲数は過去最高の743頭と約10倍となっております。
【阿久澤議員】ご答弁にありましたようにアライグマの捕獲数が6年で約10倍と増加しているとのことですので、生息数も急増していることが推測されます。アライグマは、特定外来生物に指定されており、飼育や運搬などが原則禁止されている生き物です。一般的にアライグマによる具体的な被害として、農業被害のほかに屋外で飼育していた金魚やメダカなどの魚類を食べられてしまったり、天井裏や軒下、床下にすみついて建物を破壊したり、騒音が起きたり、ふん尿による悪臭被害などの生活環境被害があります。アライグマの捕獲数がこれだけ増加しておりますと、市民生活に身近なところで被害が拡大していると思われますが、それに対応するため、本市においてどのような駆除体制が整備されているのか伺います。
【農政部長】有害鳥獣駆除体制については、わなの設置などを猟友会に委託して有害鳥獣駆除を実施しておりますが、近年ではアライグマが増加していることで猟友会による駆除のほか、市民からの相談に迅速に対応するため、狩猟免許を所持した市の職員がわなの設置や止め刺しを行っております。市職員のアライグマの捕獲件数、止め刺しは、平成30年度が1頭だったものが令和6年度には306頭と約300倍に増えております。また、このほかにも熊、鹿やイノシシなど、市民や警察の問合せや緊急性のある案件につきましては、市職員が土日や休日を含め調査などの対応をしております。
【阿久澤議員】現場で対応に当たっている職員は、日頃の市民からの有害鳥獣に関する問合せや事務作業などの業務に加えて、緊急時には休日も対応を行うことに加えて止め刺しも行うということについて理解いたしました。これだけの頭数を職員の方が止め刺している状況については、私も伺って驚いたのですけれども、そういった止め刺しの業務については、体力的な負担はもちろん、精神的な負担も大きいものと考えられます。これらの状況を改善していくための民間事業者への委託を含めた人員体制の強化や職員の負担軽減のための運用改善策など、今後の対応について伺います。
【農政部長】熊やイノシシなどの大型獣の出搬対応だけでなく、急増するアライグマなどの中型獣の対応が増加傾向となっている中で、長時間労働や人身への危険、ストレスなど、野生動物を相手にしていることで市職員の負担増加が課題となっております。今後も増加していく野生動物に対して持続可能な駆除体制を維持していくためには、現在職員が対応しているアライグマなどの中型獣の対応の一部を民間事業者へ委託することが可能か検討する必要があると考えております。
【阿久澤議員】こうした状況を改善するために、民間事業者への一部委託は専門性を生かしつつ、職員負担を軽減する有効な手段の一つであると考えております。現場の職員の皆さんが持続可能な形で業務に当たれる体制整備をお願いいたします。
【阿久澤議員】最後に東部地域の諸課題について伺います。前橋東部地域は学区の面積が広く、小学生の通学距離が長くなる傾向があります。そのため、徒歩での通学は時間的な負担が大きく、また保護者が送り迎えを行うケースも多いです。そこで、東部地域の小学生の通学距離や所要時間の平均、登下校時の安全上の課題については、市はどのように把握しているのか伺います。
【指導担当次長】東部地域の小学生の通学距離、それから所要時間の平均については、教育委員会としましては把握しておりませんが、長い道のりを時間をかけて徒歩で通学している児童が一定数いることは承知しております。登下校時の安全上の課題の把握については、東部地域に限らず毎年学校や家庭、地域に協力していただきながら通学路危険箇所の調査を行い、その結果を教育委員会に報告してもらうことで通学路危険箇所を把握しております。また、通学路近辺で行われる大がかりな工事があれば、工事責任者から事前に報告を受けたり、各学校区内で害獣の出没があれば、庁内関係課で情報共有を行ったりすることで危険な地域の把握をしております。
【阿久澤議員】既に一部の学区ではスクールバスがこれまで導入されておりますが、それ以外の学区においても通学距離が長い地域の保護者からはスクールバスの導入を望む声もあります。スクールバスの導入により通学時間の短縮や安全確保、保護者負担の軽減が期待できると考えますが、スクールバスの導入の考え方について伺います。
【指導担当次長】小中学校のスクールバスの運行については、宮城地区の宮城小学校及び粕川地区の月田小学校と粕川中学校の通学を対象として導入しております。これらの地域においては、市町村合併前からスクールバスを運行しているものですが、通学距離も長く、坂道の連続となることから、児童生徒の安全確保や保護者負担の軽減に係るスクールバスの運行効果が高いこと、また合併時において既に運行体制が整っていたことから、現在においても運行しているものでございます。スクールバスの導入については、既存のスクールバスの運行効果の維持を基本としているものでございます。
【阿久澤議員】これらの地域においてスクールバスの運行範囲を広げるとなるとどのような課題が想定されるのか。また、スクールバスの運行拡大が難しいとなるとどのような対応策を検討しているのか、見解を伺います。
【指導担当次長】現在スクールバスの運行体制は宮城地区で2台、粕川地区は1台となっています。それぞれのバスの運行時間は1時間近くに及んでいることから、現行の台数で運行系路を拡大することは難しいと考えております。よって、運行台数を増やして対応することが考えられますが、予算上の制約もあり、すぐに実現することは厳しい状況にあります。しかしながら、これらの地域における遠距離通学については課題として認識しており、保護者や地域、学校の意見を聞きながら、運行経路の柔軟な見直しや徒歩区間の安全対策など、できるだけきめ細かく対応していきたいと考えております。
【阿久澤議員】ご答弁いただきましたように、運行台数を増やすことは予算上の制約もあり、すぐに実現することは厳しい状況であることは理解いたしました。市町村合併時において既に運行体制が整っていたことから、現在においても運行しているという背景もありますが、時代とともに地域の各町の人口分布も変化しているため、東部地区の中においてもニーズも変化しているものと思われます。具体的に言うと、粕川地区においては月田小学校は従来からスクールバスが導入されておりますが、粕川小学校においては学区の横幅、すなわち東西方向の広がりが大きくなっておりまして、通学距離が長くなる傾向にあります。登下校の時間帯は、県道沿いで交通量が増える場所もありまして、小さな子供にとっては心理的な負担もあるかと思います。現行のスクールバス運行体制の維持だけでなく、柔軟な対応や運行経路の見直しも今後検討をお願いいたしまして、私の質問を終わりにいたします。


