6月の議会における総括質問では、23分質問時間をいただき、以下の3点について質問いたしました。
1 農業施策について
2 赤城南麓の観光施策について
3 教育施策について
質問の様子はこちらからご覧いただけます
こちらが実際の質問と答弁です↓
【阿久澤議員】 通告に従い、質問いたします。
初めに、農業施策について伺います。認定農業者制度は、農業者自らが5年後の経営目標を定め、その実現に向けて経営改善計画を作成し、市町村の認定を受ける仕組みです。本市では、国や県と連携した多くの農業施策において、認定農業者が支援対象の中心となっております。一方で、本市の農業経営体は約2,900経営体、認定農業者は約500経営体であり、全体から見ると一部にとどまっております。また、認定農業者の中には、高齢化などを理由に更新時に再認定を受けない経営体もあると伺っております。そこで、本市における直近5年間の認定農業者数の推移、また更新時に再認定を受けなかった経営体数とその主な理由について伺います。
【農政部長】 本市における認定農業者数の推移についてでありますが、直近5年間の状況は令和3年度509経営体、令和4年度497経営体、令和5年度487経営体、令和6年度469経営体、令和7年度447経営体となっており、やや減少傾向で推移しているところでございます。また、更新時に再認定を受けなかった経営体についてでありますが、令和3年度から令和7年度までの過去5年間においては、合計で89経営体が更新を行わなかった状況でございます。その主な理由といたしましては、規模縮小や廃業、高齢、病気等や後継者不足が挙げられます。
【阿久澤議員】 続いて、本市において認定農業者ではない農業法人はどの程度存在するのか伺います。
【農政部長】 本市に農業参入している法人についてでございますが、農地所有が可能な農地所有適格法人が141法人、農地所有ができず賃借のみとなる解除条件付法人が34法人、合計175法人でございます。このうち認定農業者ではない法人は51法人となっております。
【阿久澤議員】 認定農業者制度は補助制度を利用するためだけの仕組みではなく、経営改善計画の策定を通じて経営の見える化や経営感覚の醸成につながる重要な制度であると考えております。
一方で、農業経営体全体に占める認定農業者の割合は高くはありません。そこで、本市として認定農業者制度をどのように評価しているのか。また、認定農業者を増やしていく上で、どのような課題があると認識しているのか伺います。
【農政部長】 認定農業者制度の評価についてでございます。本制度は、補助事業の対象となるための仕組みにとどまらず、経営改善計画の策定を通じて、自らの経営内容や目標となる将来の方向性を整理し、経営の見える化や経営意識の向上につながる重要な制度であると認識しており、地域農業を支える中核的な経営体の育成において有効な仕組みであると考えております。また、認定農業者を増やしていく上での問題についてでありますが、高齢化の進行や後継者不足により、中長期的な経営改善計画の策定自体が困難な経営体が多いことや、小規模経営の農家においては認定基準を満たすことが難しいこと、経営改善計画の作成や更新手続に対する心理的、事務的負担があることなどが挙げられます。本市といたしましては、これらの課題を踏まえ、群馬県やJA等の関係機関と連携しながら、制度の周知や計画策定支援の充実を図るとともに、認定を目指す経営体の掘り起こしを進めてまいります。
【阿久澤議員】 今回のご答弁では、認定農業者数が直近5年の間にも減少し、その間89経営体が更新を行わなかったことが分かります。また、175法人が農業参入しており、そのうち51法人が認定農業者ではないとのことでした。高齢化や後継者不足によって更新しないケースについては、ある程度は避けられない側面もあるかと思います。また、認定農業者ではない法人の方からは、各種支援制度の対象とならないことに対するご意見をいただくことがありますが、私はこの点に関しては、市として様々なアプローチを検証する余地はあるのではないかと感じております。というのも、法人経営であれば決算書の作成もありますので、経営管理業務を日頃行っており、個人経営に比べると農業経営改善計画の策定に対するハードルは比較的低いとも考えられます。認定農業者ではない法人の方が持つその背景には、心理的、事務的負担なのか、それともこの制度自体が十分に伝わっていないのか、また認定を受けるメリットが実感されていないのか、または別の要因があるのかをぜひ丁寧に分析していただき、これからの地域農業の担い手を市としても把握し、フォローできる体制づくりに期待したいと思います。
次に、空きハウス対策について伺います。本市では、新規参入者等応援農家奨励金制度により、新規就農者へ農地や農業用施設などを貸す農業者への支援を行っておりますが、直近の実績について伺います。
【農政部長】 新規参入者等応援農家奨励金についてでございますが、交付金額としては農地の貸付けが10アール当たり5,000円、農業用施設等の貸付けが1件につき2万円としております。直近の令和7年度については、新規就農者5人に対して8人の農業者から合計10筆、2万3,474平米の農地の貸付実績がございました。
なお、農業用施設等の貸付実績はございませんでした。
【阿久澤議員】 この制度において、農業用施設等の貸付実績はないということでしたが、今後、施設園芸農家の高齢化が進む中で、遊休化するハウスの増加も想定されております。そこで、市内における遊休ハウスや今後利用停止が見込まれるハウスについて、現在どのように実態把握を行っているのか伺います。また、把握を進める上で課題があれば併せて伺います。
【農政部長】 市内における空きハウスにつきましては、農業委員会において農地利用最適化推進委員が毎年実施する農地利用状況調査の中で、農地の利用状況と併せて確認しております。基本的に道路からの目視による確認であるため、空きハウスを見極めるのが難しい面もあり、件数は少ない状況ですが、把握した情報は一覧表として整理し、貸し借り等の相談資料として活用しているところでございます。また、JAにおいてもハウス所有者を対象に意向調査を実施しており、今後整理される予定と伺っておりますので、情報を共有しながら引き続き連携して、空きハウスの情報把握に努め、新規就農者の就農環境支援に取り組んでまいりたいと考えております。
【阿久澤議員】 実態把握の方法について理解いたしました。認定農業者の更新手続や各種農業支援制度の活用時は、将来の農業経営や資産承継の意向を把握できる貴重な機会でもあると考えております。そこで、後継者の有無、農地やハウスの貸付意向、離農予定時期などの情報を把握し、データベースとして蓄積していく考えはあるのか伺います。また、そうした情報を新規就農者や規模拡大を目指す農業者とのマッチングにつなげ、施設園芸資産の承継や新たな産地形成に活用していく考えについて伺います。
【農政部長】 認定農業者の情報についてでございますが、認定農業者の更新手続や各種支援制度を活用する場合は、農業経営の現状や将来の見通しを把握する上で大変重要な機会であり、これまでも営農類型や農業所得、労働時間等の情報を蓄積しております。また、今年度、後継者の有無を含めた農業経営の将来の見通しについてのアンケート調査も実施しており、個別相談や経営改善計画の更新等において、把握した年齢や世帯構成などとともに情報収集を進めているところでございます。現状、農業委員会、JA、アンケート等、幾つかのデータを組み合わせて対応しておりますので、農地やハウスの継承を見据えた情報収集及びデータベースの有効な活用方法を引き続き検討するとともに、個々のケースごとに丁寧な相談、関係者間の調整など、面談によるサポートを行ってまいりたいと考えております。
【阿久澤議員】 ご答弁では様々な形で情報収集を進めていただいていることが分かりました。今回の質問に至った経緯として、地元農家の方から赤城南麓、南面地域は空きハウスが確実に増えていく。しかしながらこの地域というのは条件的にも施設園芸に適しているからこそ、若い世代に挑戦してほしいというお声をいただきました。近年はハウスの建設費も高騰しております。既存のハウスという資産を生かせば、新規就農者にとっても参入しやすい環境を整えることができます。ぜひ具体的なマッチングや承継の仕組みづくりを進めていただくよう要望いたします。
次に、赤城南麓の観光施策について伺います。赤城南面千本桜まつりは、本市を代表する観光イベントであり、毎年多くの来訪者が訪れております。今年度の来場者数、また赤城南麓花めぐり号を含むシャトルバス利用者数はどの程度であったのか伺います。
【産業経済部長】 赤城南面千本桜まつりの令和8年度の来場者は、速報値でございますが、8万4,294人でございました。来場者数につきましては、花の開花時期や天候等の影響を受けるものでありますが、過去5年間においても、おおむね8万人から9万人規模で推移しているところでございます。また、赤城南面千本桜まつり会場と近隣の観光スポットをめぐる周遊バスである赤城南麓花めぐり号の令和8年度の利用者数は513人でございました。当該バスの利用者数につきましては、年度ごとにばらつきがあるものの、過去5年間ではおおむね100人台から500人台で推移しているところでございます。
【阿久澤議員】 観光施策においては、来訪者の周遊行動や消費行動を分析することが重要であります。特に赤城南面千本桜まつりには、祭り期間中の約2週間の間に8万人もの観光客が訪れることから、その経済効果は大きいと感じております。赤城南麓全体へ広げていくことが必要であると考えます。赤城南面千本桜まつりの来訪者を周辺の直売所や飲食店、観光施設につなげていくための取組について伺います。
【産業経済部長】 赤城南面千本桜から赤城南麓への周遊施策についてでございますが、令和7年度は4月5日から同年6月30日までの期間、赤城南面千本桜や赤城南麓を来訪した方を対象に、周辺の観光施設や飲食店などの対象施設を巡るAKAGI南麓スタンプラリーを実施し、約300人の方にご参加いただきました。このスタンプラリーはスマホを活用したもので、来訪者へのアンケートも同時に実施することができ、来訪者の動向を把握することができました。このほか、今年度は赤城南面千本桜への臨時バスをご利用いただいた方を対象に、昨年10月にリニューアルオープンしたぐんまフラワーパークプラスで利用できるサービス券を配布したところでございます。赤城南面千本桜は大変多くの方が訪れる本市を代表する観光資源の一つであることから、その集客効果が赤城南麓全面へ広がるよう、引き続き前橋観光コンベンション協会や関係団体と連携しながら、赤城南麓の観光振興に取り組んでまいりたいと考えております。
【阿久澤議員】 様々な関係者の協力の下に成り立つ赤城南面千本桜まつりであります。だからこそ、その効果が地域にどのように還元されているのかという視点も重要であると考えます。また、運営自体は祭り実行委員が主ではありますが、本市におかれましては全体を俯瞰しながら方向性を示す役割を果たしていただき、様々な資源と来訪者をつなぎ、地域全体の活力につなげていただく取組を進めていただくことを期待いたします。
関連して、施設の環境整備についても伺います。赤城南面千本桜まつり期間中は国道353号線が大変混雑し、花木農産物直売所さんぽ道も大変混雑しておりました。渋滞により、祭り会場へ向かうことを断念して、途中のさんぽ道の直売所へ立ち寄る来訪者も少なくないと聞いております。自家用車の観光客のほかにも観光バスが立ち寄るものの、さんぽ道では大型駐車場の整備が十分でないことによって混乱が生じると同時に、大型駐車場に普通車が停車してしまい、大型バスが止められないという事態も生じたと聞いております。観光と農業振興の両面から、さんぽ道の環境整備についてどのように認識しているのか、改善に向けてどのように取り組んでいくのか伺います。
【農政部長】 花木農産物直売所さんぽ道の環境整備についてでございますが、観光及び地域農業の振興を図るため重要であると認識しております。駐車場につきましては、令和5年度に一部アスファルト舗装を実施したところでございますが、大型車両用駐車場につきましては現在も未舗装であり、利用状況によっては混雑など運営面での課題が生じているものと承知しております。今後につきましては、直売所運営主体に混雑時のソフト面の対応を検討、継続していただくとともに、環境整備に係る費用について全体の事業バランスを考慮しながら優先度を整理して検討していきたいと考えております。
【阿久澤議員】 さんぽ道と併せて隣接するぐりーんふらわー牧場は、特に春の時期には赤城南麓の豊かな環境を感じられる施設であります。農業面からも、観光面からもぜひ今後の環境整備について前向きな検討をお願いいたします。
最後に、教育施策について伺います。幼稚園や保育施設、認定こども園では、自由保育や主体的な学びを重視する取組が広がっております。一方で、小学校入学後に環境変化に対応できず、いわゆる小1プロブレムと呼ばれる状況が課題となっております。本市では、小1プロブレムの現状をどのように認識しているのか伺います。
【指導担当次長】 ご指摘のとおり、小1プロブレムの現状については、教育委員会としましても様々な幼児教育施設で遊びを通して学び育ってきた幼児教育から、各教科等の学習が始まる学校教育に移行する際に、子供たちにとって不安や戸惑いがあると認識しております。それぞれの子供たちが幼児期の教育で培った学びと育ちの基礎を発揮できるよう、全教職員が子供たちの経験や発達の状況を丁寧に把握し、子供たちの思いや願いを引き出し、生かしながら教育活動を進めていくことが大切であると考えます。
【阿久澤議員】 本市においては、幼保小連携推進事業に取り組んでいると理解しておりますが、これまでどのような成果が得られているのか伺います。
【指導担当次長】 お尋ねの事業の成果といたしましては、まず幼児期から小学校への円滑な接続が図られてきた点が挙げられます。具体的には、合同研修や公開授業、相互参観等を通じて保育者と小学校教員との相互理解が深まり、発達段階に応じた指導の在り方について共通認識が醸成されてきております。これにより幼児教育と小学校教育の接続を意識した指導が図られているものと認識しております。さらに、昨年度におきましては、小学校教員と保育者が協働して、架け橋期のカリキュラムを作成し、就学前から小学校低学年までの学びの連続性を意識した具体的な指導の在り方が整理されたところであり、連携の質の一層の向上につながる成果が得られております。
【阿久澤議員】 成果について理解いたしました。給食や生活リズム、集団活動など、園と小学校との環境の違いについて保護者の皆様から様々なお声が寄せられております。本市ではどのような課題があると認識しているのか伺います。
【指導担当次長】 ご指摘のとおり、各園所と小学校の環境の違いとして、給食や生活リズムの違いが挙げられます。園では個々の発達や体調に応じた柔軟な生活が行われている一方で、小学校では時間割に基づいた一斉の活動が多くなることから、入学当初に戸惑いを感じる児童が見られる点が課題であると認識しております。また、こうした生活面での違いに加え、集団活動の在り方の違いも対応が求められる点であると考えております。園では遊びを通した主体的な活動が重視されるのに対し、小学校では教科学習を中心とした集団での学習活動が主となるため、学び方の違いに適応していく過程において、不安を感じるケースがあるものと捉えております。このようなことから本市といたしましては、改めて小学校教育の基盤は幼児教育にあることを再認識し、幼児期の遊びや生活で体験した素地を組み込みながら、子供の発達や学びの連続性を踏まえた指導の工夫を一層進め、円滑な接続に努めてまいりたいと考えております。
【阿久澤議員】 小学校において、現場で指導に当たられる教職員の皆さんの負担が既に大きいことも十分理解しております。そのため、全てを学校現場に求めるのではなく、幼児教育施設等の連携によって子供の円滑な接続を図ることが重要であると考えております。今後、本市として幼保小連携をどのように進めていくのか伺います。
【指導担当次長】 幼保小の連携を推進するためには、繰り返しになりますけれども、5歳児から小学校1年生の2年間に当たる架け橋期の教育を充実させることが重要だと考えております。そのために、幼児教育センターが中核となり、市内全ての小学校及び園所の先生方を対象とした幼保小研修会を行っております。具体的にはお互いの授業や保育を参観したり、各地域ブロックごとに作成しました架け橋期のカリキュラムの活用について情報交換を行ったりすることを通して、各園所と小学校の相互理解を深め、発達段階に応じた学びの連続性を意識した指導の充実に努めてまいります。あわせて、保護者に対しては、研修の様子をホームページで周知したり、就学相談の機会を捉え、個々に応じた丁寧な対応に努めたりすることで不安の軽減につなげてまいります。今後も関係機関がそれぞれの役割を果たしながら連携し、子供の円滑な接続に資する取組を着実に推進してまいります。
【阿久澤議員】 今回のご答弁で、昨年度から架け橋期のカリキュラムが作成され、取組が進められていることが分かりました。今後、さらに幼保小連携の充実が図られることを期待しまして、私の質問を終わります。


